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契約ですから違法でないことは何でも盛り込めますが、この種の契約で最も頻繁に盛込まれる事柄には、以下のようなものがあります。

1.     離婚の合意とその届出行為者(いずれが公正証書作成後離婚届を所管の役所に届けるかの取り決め)
 なお、離婚給付等契約は、離婚届が所管の役所に受理されて離婚が成立することが、効力発生の要件です。

2.     養育費
 未成年の子の養育費の支払者及び支払金額・期限などの取り決めです。
 離婚時に纏まった金額を一括して支払う方法、毎月一定額を支払う方法があります。後者の場合は、支払の始期及び終期(未成年の子が何歳になるまで)を決めることが必要であり、また、複数の子がいる場合には、一人につき金額を定める必要があります(子ごとに支給期限が異なることから)。

3.     面会交渉
 未成年の子の監護・養育者でない一方当事者が未成年の子と面会する事項に関して取り決めておくものです。面接交渉を全く認めないとすることはできませんが、反対に、未成年の子の意思、心身の状態等に照らして無制限に認めることも不条理なので、具体的な条件等を決めるておくものです。

4.     慰謝料・財産分与の支払
 離婚による一方当事者への慰謝料、離婚中に夫婦で築いた財産の分配、資力のある一方当事者から他方に対する当座の生活費等の支給などの取り決めです。
 この場合も、一括支払、分割支払の方法があります。なお、給付の目的物は金銭に限らず、家財道具などの動産や自動車、土地建物の不動産の場合もありますが、住宅ローンの支払期間中の場合などでは、難しい問題もありますので、公証人にご相談ください。

5.     年金分割
 夫婦の離婚において、双方の年金受給金額に大きな格差が生じ、専業主婦等により就労機関がなく、又は短期間であったり、低賃金であった者は、高齢期において十分な所得水準を確保できない問題が生じることから、婚姻中の夫婦が得た給与所得は基本的に夫婦が共同で得たものであり、納付した保険料は夫婦が共同で負担したものであるとの考えにより、年金の算定の基礎となる標準報酬につき、合意により(合意が出来ないときは裁判)、標準報酬の改定請求すること及び請求する按分割合を決めて厚生労働大臣に請求するものです。
 なお、年金分割に関する約定は、平成20年4月からは、公正証書にしなくても、当事者が社会保険事務所に行って手続することが可能となりました。もちろん、公正証書に盛り込むことは、従前通り可能です。その場合、公証人は、抄録謄本という、年金分割に必要な部分だけの公正証書謄本を作成しますので、他の契約内容を社会保険事務所に知られることなく手続をすることができます。

6.     強制執行認諾
 養育費、財産分与、慰謝料など、一定の金額のお金を支払ってもらう契約は、公正証書にして、かつ、約束通りに支払わない場合は強制執行を受けてもかまわないという趣旨の「強制執行認諾」条項を入れておけば、支払期限を過ぎても支払がないときは、民事裁判を省略して直ちに強制執行することができます。


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